ストレスと脳神経細胞の関係(ミクロな観点)

脳の神経細胞は、ストレスにとても敏感です。
慢性ストレスなどによりストレスを受け続けると、ストレスホルモン(コルチゾール)が副腎皮質から脳内へ浸透していき、神経細胞が破壊されていきます。
特に、記憶にかかわる海馬が敏感に反応し、強いトラウマ(PTSD/解離性障害)を受けた人は海馬の委縮がみられることがMRIによって明らかにされています。
また、加齢によっても海馬の神経細胞はほうっておくと1~2%ずつ減少していくようです。
神経細胞の成長や生成に寄与する物質が、BDNF(脳由来神経栄養因子)と呼ばれるものです。
BDNFもストレスで減少するため、ストレスにより神経細胞が栄養を摂れなくなることで神経細胞の成長が抑制され、減少していくという結果に繋がっていきます。
その結果、どうなるかというと、神経細胞内にある神経伝達物質自体も減少してしまうため、脳内の伝達が悪くなってしまいます。
また、樹状突起も萎縮し、情報処理能力、記憶力も弱くなるので脳が全体に不活発になり頭の働きが悪くなっていきます。
また、神経の軸索を覆うミエリン鞘(オリコデドロサイト)は、流れる電流が漏洩しないよう保護する脂質成分ですが、これもまたストレスにより成長が阻害されるため脳の不活性化の原因ともなります。
ストレス以外の神経細胞を減少させる要因
これらのような、BDNFを減少させる原因はストレスだけではありません。
アルコールの飲酒、糖分の摂りすぎ、タバコ、運動不足といった不摂生な生活も、減少させていく要因であることが分かってきています。
また、抗精神薬、睡眠薬、抗不安薬(ベンゾジアゼピン系)の長期投与においても神経細胞が障害を受け、認知機能に影響をもたらすことも近年の研究から明らかになってきています。
